あなたは怪談が好きですか?
僕は昔から怪談が大好きで、洒落怖・怪談番組・怪談動画・怪談イベント・怪談大会・怪談本などを通じて一年中怪談を楽しんでおり、これまでに数千話の怪談を読んだり聞いたりしてきました。
一時期は仕事の休憩時間やお昼休み、家にいる時間など、暇さえあれば怪談を読み漁っていたこともあり、正直何千話の怪談を読んだのかすらわからないくらいの怪談好きです。
今でも定期的に怪談本を購入してレビューしているため、今回は僕が実際に読んだ怪談本の中から、とくに評価が高く自信を持っておすすめできる怪談本を厳選して紹介します。
- おすすめ本は随時追加します。
- 同点の場合は発売日が新しい順に紹介します。
怪談の評価基準
怪談の好みは人それぞれありますが、僕の場合は以下の基準で評価を行います。
プラス評価 | マイナス評価 |
---|---|
リアリティがある 単純に怖い 不気味な雰囲気がある 不思議で謎めいている 何かロマンを感じる 興味深い ワクワクして面白い 感動する | 創作感が強い 話に矛盾がある 脚色しすぎている ありきたり どこかで聞いたことがある 読んでも何も感じない 単純につまらない |
まず大前提として、僕は本当にあった怪異や不思議な出来事を語る「実話怪談」が好きなので、あまりにも現実離れし過ぎている話や、矛盾がある怪談は評価が低くなります。
また著者の地位・知名度・人気度・好感度などには一切忖度せず、レビューを読んでくれる方の参考になるように、純粋に本の内容だけを見て厳しくレビューを行います。
基本的に僕の評価は少し厳し目なので、通販サイトのレビューよりも点数が低くなる傾向があります。
非常におすすめの怪談本
ここでは僕が5点満点の評価を付けた、非常におすすめの怪談本を紹介します。
厭談 祟ノ怪
「厭談 祟ノ怪」は夜馬裕さん初単著で、23話収録されています。
夜馬裕さんはいい意味で後を引く”イヤーな話”を蒐集している怪談師で、「厭談 祟ノ怪」は初の単著でしたが、さすが夜馬裕さんといった素晴らしい内容でした。
ただ単に「どこどこに行ってこんな怖い体験をしました」みたいな話ではなく、「えっ!?」と予想外の展開が多く、他の怪談師からはなかなか聞けないような夜馬裕さんならではのお話が多いです。
あと夜馬裕さんの怪談は導入部分にムダがなくグッと話に引き込まれます。
とくに体験者さんの意味深なセリフを導入に持ってくるやり方は、「どういう意味?」と興味を惹かれるので、話をどんどん読み進めたくなりますし、最後には「なるほど」といつも納得させられます。
「厭談 祟ノ怪」は文句なしでおすすめです。
おすすめの怪談本
ここでは僕が4~4.5点満点の評価を付けた、おすすめの怪談本を紹介します。
厭談 戒ノ怪
「厭談 戒ノ怪」は、夜馬裕さんの2冊目の単著で、長編3割・短編1割・残り6割といった構成になっており、とくに以下の怪談に関しては読み応えがあり非常に良かったです。
- お籠めさま
- ゆれる影
- 墳墓の丘
- 愛犬
- 隣人奇譚
- お嫁さん儀式
一見すると、収録されている18話はそれぞれが独立した怪談ですが、読み進めていくと裏で繋がっている話がいくつもあり、すべて読み終えたあとにまた最初から読み直したくなりました。
ちなみに今作には、夜馬裕さんの友人が失踪した話が2話収録されており、「墳墓の丘」は高校時代の友人が失踪した話で、「隣人奇譚」は大学時代の友人が失踪した話です。
前作に続き今作も非常に素晴らしい怪談本でした。
続・怪談和尚の京都怪奇譚
「続・怪談和尚の京都怪奇譚」は、三木さんの2冊目となる著書で23話収録されています。
前作同様にただ怖いだけでなく、怪談を通して”こんな学びがあるよね”という怪談説法になっています。
前作の内容も良かったですが、今作は前作以上に興味深い話が多く、また一話一話の内容が濃くて長い話がほとんどなので、読み応えも十分で非常に楽しめました。
怪談和尚の京都怪奇譚 幽冥の門篇
「怪談和尚の京都怪奇譚 幽冥の門篇」は、三木さんの4冊目の著書で20話収録されています。
4冊目ともなれば多少ネタ切れしてきてもおかしくありませんが、三木さんの怪談は平凡でありきたりな怪談、いわゆるページを埋めるだけのハズレ怪談がありません。
また各怪談の最後には、その怪談から得られる教訓を入れているので、怪談本なのにただ幽霊が出てきて怖いだけでなく、「なるほどなー」といろいろ考えさせられます。
本に収録されている内容は、基本的には三木さんのお寺に相談されに来た方の体験談なので、普通の怪談師の方からは出てこない話がたくさんあり非常に楽しめました。
怪談まみれ
「怪談まみれ」は深津さんの2冊目の著書で、街の怪・家の怪・食の怪・野の怪・人の怪と怪異ごとに章が分かれており、43話収録されています。
”怪談”は読んで字のごとく”あやしいはなし”全般を指すので、決して怖い話だけが怪談ではなく、感動する話や面白い話、不思議な話や悲しい話など色々あります。
今作「怪談まみれ」は怪談の大会で語られるような怖さだけを追求した話ではなく、深津さんの優しい文章に包まれた不思議な話が多かったです。
また文章表現が秀逸で、物語を読んでいるかのように引き込まれ、本編だけでなく”はじめに”から”あとがき”まで余すことなく非常に楽しめました。
怪談ファンだけでなく、怪談に興味があるけれど怖すぎる話は苦手という方にもおすすめしたい一冊です。
稲川怪談 昭和・平成傑作選
「稲川怪談 昭和・平成傑作選」には、怪談界のレジェンド稲川淳二さんが過去に語った怪談が4つの章に分かれて40話収録されています。
- 第一章:怖い記憶(10話)
- 第二章:怖い噂(10話)
- 第三章:怖い場所(10話)
- 第四章:怖い噺(10話)
怪談はすべて話し言葉で書かれているので、文字を目で追うだけで稲川さんが語っている様子が容易に想像でき、稲川さんの声が脳内再生されます。
もし稲川さんの怪談を聞いたことがなければ、YouTubeに公式チャンネルがあるので、何話か稲川さんの語りを聞いてから読むとより楽しめるはずです。
内容に関してですが、前半はちょっとした小話やちょっとした怪異の話が多く、後半になるにつれ徐々に怪談らしい話が増えて来ます。
中には現実離れし過ぎて、怪談というよりアニメ日本昔話に出て来てもおかしくないレベルの話もありました。
また僕は怪談の中でも現実味のある”実話怪談”が好きなのですが、何話か「なんでそんなことわかるの?」と疑問に思った話がありました。
たとえば「赤いはんてん」という話では、婦人警官が一人で夜のトイレを張り込む場面があり、張り込み中にそのトイレで亡くなるのですが、周りに誰も人がいないのに、なぜトイレ内でのセリフや出来事がわかるのか疑問です。
ただの怪談好きであれば気にも止めないことかもしれませんが、実話怪談好きとしては、そういった細かいディティールがちょっと気になりました。
とは言っても、40話たっぷりと稲川さんの怪談を楽しめたので、怪談好きの方や稲川淳二ファンの方におすすめできる一冊でした。
続々・怪談和尚の京都怪奇譚
「続々・怪談和尚の京都怪奇譚」は、三木さんの3冊目となる著書で21話収録されています。
今作も三木さんの体験談と、霊現象に悩まされてお寺に相談にきた方の体験談が中心で、全体的にレベルが高いです。
また説法パートでは、普段の生活を考えさせられるいいお話がいくつも紹介されているので、ためになりました。
怪談びたり
「怪談びたり」は、深津さくらさんの初単著で43話収録されています。
現在第一線で活躍されている方たちと比べて”怪談師歴”は短いですが、他にはない深津さんならではの優しい言葉遣いだったり、想像を掻き立てられる表現が魅力的でした。
内容的には飛びきり怖い話は少なめでしたが、読んだあとにほっこりしたり、少し寂しくなったり、心温まる不思議な話がいくつもあり非常に楽しめました。
レビュー済みの怪談本
ここでは僕が4点未満の評価を付けた怪談本を紹介します。
怪談にも好みがあるため、人によってはもっと高い評価を付ける人もいると思いますし、決してつまらなかったわけではありません。
レビューを読んで気になる本があれば、ぜひ購入して読んでみてください。
- レビュー済みの本は随時追加します。
タイトル | 著者 | 評価 | レビュー |
---|---|---|---|
怪談和尚の京都怪奇譚 | 三木大雲 | 3.5 | 確認する |
北縁怪談 | 匠平 | 3.5 | 確認する |
煙仏 | 下駄華緒 | 3.5 | 確認する |
獄ノ墓 | 西浦和也 | 3.5 | 確認する |
怪談最恐戦2020 | 共著 | 3.5 | 確認する |
幻夜の侵入者 | 匠平 | 3.5 | 確認する |
闇夜の訪問者 | 匠平 | 3.5 | 確認する |
北縁怪談 札幌編 | 匠平 | 3.0 | 確認する |
怪談最恐戦2019 | 共著 | 3.0 | 確認する |
稲川淳二の怪談冬フェス ~幽宴2018 | 共著 | 3.0 | 確認する |
怪の残滓 | 吉田悠軌 | 3.0 | 確認する |
百万人の怖い話 呪霊物件 | 住倉カオス | 3.0 | 確認する |
百万人の怖い話 | 住倉カオス | 3.0 | 確認する |
最恐怪談師決定戦 怪談王 戦慄編 | 共著 | 3.0 | 確認する |
怪談グランプリ2018 地獄変 | 共著 | 2.5 | 確認する |
怪談グランプリ2017 未公開!タブー怪談 | 共著 | 2.5 | 確認する |
タイトル | 著者 | 評価 | レビュー |
---|---|---|---|
怪談和尚の京都怪奇譚 | 三木大雲 | 3.5 | 確認する |
北縁怪談 | 匠平 | 3.5 | 確認する |
煙仏 | 下駄華緒 | 3.5 | 確認する |
獄ノ墓 | 西浦和也 | 3.5 | 確認する |
怪談最恐戦2020 | 共著 | 3.5 | 確認する |
幻夜の侵入者 | 匠平 | 3.5 | 確認する |
闇夜の訪問者 | 匠平 | 3.5 | 確認する |
北縁怪談 札幌編 | 匠平 | 3.0 | 確認する |
怪談最恐戦2019 | 共著 | 3.0 | 確認する |
稲川淳二の怪談冬フェス~幽宴2018 | 共著 | 3.0 | 確認する |
怪の残滓 | 吉田悠軌 | 3.0 | 確認する |
百万人の怖い話 呪霊物件 | 住倉カオス | 3.0 | 確認する |
百万人の怖い話 | 住倉カオス | 3.0 | 確認する |
最恐怪談師決定戦 怪談王 戦慄編 | 共著 | 3.0 | 確認する |
怪談グランプリ2018 地獄変 | 共著 | 2.5 | 確認する |
怪談グランプリ2017 未公開!タブー怪談 | 共著 | 2.5 | 確認する |
まとめ
今回紹介した怪談本の他にも手元にはまだレビューをしていない怪談本がたくさんあるので、レビューが終わり次第随時このページにまとめていきます。
怪談は季節に関係なく一年中楽しめますし、おすすめで紹介した本はいずれも読み応えがある本ばかりなので、ぜひ読んでみてください。
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