怪談本のレビュー企画、今回は住倉カオスさんの「百万人の怖い話」をレビューしていきます。
「百万人の怖い話」レビュー
タイトル | 百万人の怖い話 |
著者 | 住倉カオス |
出版元 | 竹書房 |
発売日 | 2016/3/29 |
話数 | 35話(223ページ) |
Amazon評価 | 3.9 |
フォトグラファー・超常現象研究家。出版社のカメラマンとして数々の事件現場や心霊事件取材に携わる。独立後、その経験から「呪霊映像シリーズ」「黒呪霊シリーズ」など多くの心霊DVDをプロデュース。その怪談は、実地の心霊取材に基づく「ドキュメンタリー怪談」とも呼ぶべき独特のスタイルである。Amazon恐怖チャンネル「住倉カオスの怪談★語ルシス」では企画、MCなどを努めている。
怪談は一話ごとに評価をしていきますが、基本的な評価基準は以下です。
収録されている怪談と一話ごとの評価は以下ですが、ジャンルは人によって「不思議な話」と感じる方もいれば「怖い話」と感じる方もいると思うので、あくまでも参考程度に捉えてください。
タイトル | ジャンル | 評価 | |
---|---|---|---|
#1 | 私は此処にいる | 怖い | 4.0 |
#2 | お祓いの理由 | 怖い | 3.5 |
#3 | 彷徨う飢え | 怖い | 4.0 |
#4 | 誘う息 | 怖い | 3.5 |
#5 | カナシバリ | 怖い | 3.5 |
#6 | 虫の知らせ | 不思議 | 3.0 |
#7 | 見えない友達 | 怖い | 3.0 |
#8 | 柵のある家 | 怖い | 3.0 |
#9 | 新しい車 | 怖い | 3.0 |
#10 | お盆の海 | 怖い | 2.0 |
#11 | 死に絶える家 | 怖い | 3.0 |
#12 | 水神の使い | 不思議 | 3.5 |
#13 | べっ甲のメガネ | 怖い | 2.5 |
#14 | 深海の歌 | 不思議 | 3.5 |
#15 | 開かずの間の話 | 怖い | 3.5 |
#16 | 仏間の天井 | 怖い | 2.0 |
#17 | 黒い男とひげの女 | 怖い | 3.5 |
#18 | 偽造心霊写真 | 怖い | 3.5 |
#19 | 不完全なひとりかくれんぼ | 怖い | 3.5 |
#20 | 友人の行方 | 怖い | 2.5 |
#21 | 廃墟からの土産 | 怖い | 3.0 |
#22 | 逃げ場所 | 怖い | 3.0 |
#23 | 廃病院の写真 | 怖い | 2.0 |
#24 | 三角形の部屋 | 怖い | 3.0 |
#25 | だいちゃんの話 | 不思議 | 2.0 |
#26 | 首のズレた女 | 怖い | 3.5 |
#27 | ラグビーコートの古ベンチ | 怖い | 3.0 |
#28 | 床から溢れる水 | 不思議 | 3.0 |
#29 | 消えない病院 | 怖い | 3.0 |
#30 | カメラ通話に映った怨霊 | 怖い | 2.5 |
#31 | ある絵画の秘密 | 怖い | 2.0 |
#32 | 天井から伸びる手 | 怖い | 2.0 |
#33 | 交差点の思い出 | 怖い | 2.0 |
#34 | 引っ越しの理由 | 怖い | 2.0 |
#35 | 母の除霊 | 怖い | 3.0 |
ピックアップ
ここでは印象的だった怪談をいくつかピックアップして、簡単にあらすじを紹介します。
彷徨う飢え
カオスさんが出版社に勤めていた頃、企画のアイデアに行き詰まった上司の編集長が思いつきで「おい、今度の樹海特集でな”樹海に棲む野生生物の謎”をやることとなったからな。お前樹海に泊まってなんか撮ってこいな」
「そんな簡単に野生の動物が撮れると思っているのだろうか」と呆れたが、過去数回訪れた樹海探索では生き物をほとんど目にしなかったため、興味深い取材であった。
樹海ではカメラの前を何かが通ったら動きを感知し、自動でフラッシュ撮影する装置を設置し、少し離れた場所にテントを張り漆黒の樹海の中、たったひとりで一晩を過ごすことになる。
そしてありえない出来事が起こり、ありえない写真が撮影されてしまう…。

ちなみにこのとき撮影された写真は、以前あるイベントでカオスさんに見せてもらったことがありますが、ものすごい写真でした。
まとめ
がお的総合評価 | 3.0 |
前半はカオスさんが出版社に勤めていた頃の体験談が中心で、後半の11話はカオスさんが当時運営されていた投稿型怪談ウェブサイト「百万人の怖い話」に投稿された話という構成です。
カオスさんが出版社に勤めていた頃の体験談は実際に起きた事件に関係していたりして、引き込まれる話が多いですが、体験談以外の話の中にはちょこちょこ「それだけ?」「ありきたりだなぁ」と思う話もあり、話のレベル差が結構あるなぁという印象を受けました。
とくに投稿された話のレベルが低いと感じたので、カオスさんの体験談だけを集めた本にしていれば、もっと評価は上でした。
レビュー済みの怪談本は以下でまとめています。


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