今やスマホは一人一台が当たり前になり『格安SIM』の種類も増えたことで、大手キャリア(docomo/Softbank/au)以外の選択肢がたくさん増えました。
常に高速通信の大手キャリアは魅力的ですが、一方で料金が高いと不満を感じている方も大勢おり、キャリアから『格安SIM』に乗り換える方が年々増えています。
ただ中には『格安SIM』のことがよくわからず、料金の高さに不満を持ちながらも結局大手キャリアを使い続けている方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は『格安SIM』について詳しく解説していきます。
『格安SIM』に乗り換えると月々のスマホ料金が約1/3になるよ。
え!?そんなに安くなるの?
もちろん。ただデメリットもあるから気をつけてね。
どんなデメリットがあるの?
そのあたりのことも詳しく解説していくね。
お願いしまーす!
『格安SIM』の基礎知識
MVNO・格安SIMとは
MVNO(Mobile Virtual Network Operator)とは、大手3キャリア(docomo/SoftBank/au)から借りた通信回線に独自のサービスを加えて提供している事業者のことで、MVNOが利用者に提供しているのが『格安SIM』です。
MVNOは自前の通信設備を持っておらず、大手キャリアから通信設備を借りており、さらに実店舗もほとんどなくコストが安く済むため、低価格でのサービス提供を実現しています。
- MVNOが提供しているのが『格安SIM』
- 自前の通信設備を持たないことでコストを抑えている
- 実店舗を置かないことでコストを抑えている
『格安SIM』の最大のメリットは月額料金の安さですが、2021年2月に約35,000人を対象に行われたアンケート調査によると、『格安SIM』利用者の多くが大手3キャリアの1/3以下の月額料金で使用しており、キャリアと比べて年間で約57,000円も節約できていることがわかりました。
『格安SIM』は低コストでサービスを提供しているから、利用者も低価格で使用できるんだ。
なるほどねー。安さにはこんな秘密があったんだね!
格安SIMは2種類ある
『格安SIM』には音声通話できる「音声通話SIM」と、データ通信しかできない「データ通信SIM」の2種類があり、「音声通話SIM」の方が若干だけ月額料金が高いです。
「音声通話SIM」と「データ通信SIM」はMVNO(格安SIMを提供する事業者)ごとに微妙に呼び方が違うことがありますが、すべて同じものです。
要は電話番号があるのが「音声通話SIM」で、電話番号がないのが「データ通信SIM」です。
音声通話SIM | データ通信SIM | |
---|---|---|
音声通話 | ○ | ☓ |
ネット | ○ | ○ |
アプリ | ○ | ○ |
「データ通信SIM」でもLINE通話などの通話アプリは使用できますが、通信環境によって音質が影響を受けますし、電話番号がないので仕事の電話には向いていないため、「音声通話SIM」と「データ通信SIM」のどちらにするか迷ったら、仕事で電話を使うかどうかで選ぶのがいいです。
キャリアから格安SIM(音声通話SIM)に乗り換える際、MNPで電話番号を引き継げます。
格安SIMを使用する3つの方法
格安SIMを使う方法その1
使用中のキャリアと同じ回線の格安SIMを使う
たとえばdocomoで契約したスマホを使用している場合、docomo回線を借りている『格安SIM』なら、SIMを入れ替えるだけですぐに利用できます。(auとSoftBankの場合も同じです。)
この使用方法の場合、使用できるのは「同じ回線の格安SIM」に限られます。
- docomoと契約したスマホ → docomo回線を使用している格安SIM
- SoftBankと契約したスマホ → SoftBank回線を使用している格安SIM
- auと契約したスマホ → au回線を使用している格安SIM
docomo回線 | SoftBank回線 | au回線 | |
---|---|---|---|
イオンモバイル | ● | - | ● |
OCN モバイル ONE | ● | - | - |
mineo | ● | ● | ● |
BIGLOBEモバイル | ● | - | ● |
IIJmio | ● | - | ● |
格安SIMを使う方法その2
SIMロックを解除して使う
大手キャリアでスマホを分割購入し契約すると、他社のSIMを使用できないように自動的にSIMロックがかけられますが、SIMロックを解除すると、現在使用中のスマホのまま好きな『格安SIM』を使用できるようになります。
SIMロック解除の手続きは電話とネットからは無料で行えますが、キャリアショップの窓口で対応してもらう場合は3,300円の手数料がかかります。
スマホを一括購入した場合はすぐにSIMロックを解除できますが、分割で購入した場合は購入から100日経過してからでないと、SIMロックの解除ができません。
格安SIMを使う方法その3
SIMフリーのスマホで使う
SIMフリーのスマホを使用している場合、もしくはこれからSIMフリーのスマホを購入する場合であれば、一切の手続きなく好きな『格安SIM』を使用できます。
たとえば、Apple Storeで購入したiPhoneは「SIMフリー」ですし、格安SIMの販売サイトでSIMとセットで販売されているスマホも大半は「SIMフリー」です。
今使っているスマホを活用するなら「SIMロック解除」するのがいいよ。
それなら新しくスマホを買わなくていいから節約になるね!
でも新しいスマホが出るとついつい欲しくなっちゃうんだけどね。
わかるーーーーーー!!
次は『格安SIM』のメリットとデメリットについて解説するね。
はーい!
格安SIM5つのデメリット
『格安SIM』を使用すれば、月々のスマホ料金が大幅に安くなることばかりに目が行きがちですが、もちろんデメリットもいくつかあります。
デメリットを理解しないまま『格安SIM』に乗り換えると、後悔してしまうことがあるかもしれないので、メリットだけでなくデメリットもきちんと理解しておいてください。
格安SIMのデメリット1
キャリア独自のサービスが使用できない
『格安SIM』を使用するということは、大手キャリアの契約をやめるということなので、キャリア独自のサービスである「キャリア決済」と「キャリアメール」が使えなくなります。
- キャリア決済:商品やサービスの購入代金をスマホ料金と一緒に支払える
- キャリアメール:「@docomo.ne.jp」「@ezweb.ne.jp」「@softbank.ne.jp」
決済機能は諦めるしかありませんが、キャリアメールに関しては「ヤフーメール」や「Gメール」など、代わりになるサービスがいくらでもあります。
定額制サービスの支払い方法をキャリア決済にしている場合は、『格安SIM』に乗り換える前にクレジットカードなど他の支払方法に変更してから行うとトラブルを避けられます。
格安SIMのデメリット2
キャリアよりも通信速度が遅い
『格安SIM』は大手キャリアから回線の一部を借りているわけですが、借りているキャパに対して利用者が増えると、回線が混雑し通信速度が遅くなります。
どちらも同じクルマの数(通信量)でも、『格安SIM』の方は混雑していてスピードを出せませんが、キャリアの方は空いているのでスピードを出し続けたまま走り続けられます。
もちろん常に通信速度が遅いわけではなく、遅くなるのは利用者が多い時間帯だけです。
とくに混雑しやすいのが「お昼(12~13時)」と「夜(20~23時)」の時間帯で、お昼は多少仕方ない部分はありますが、夜は自宅でWi-Fiを使えば通信速度問題は関係ありません。
格安SIMのデメリット3
実店舗がない(少ない)ためサポートが手薄
『格安SIM』は低コストでサービスを提供しているので、人件費やテナント代のかかる実店舗がほとんどなく、多くても500件程度で、1店舗もない『格安SIM』もあります。
わからないことはネットで検索すれば大体は解決できるので、一人で解決できる方には実店舗の有無はあまり関係ありませんが、調べるのが苦手で頻繁にキャリアショップを利用する方は注意が必要です。
比較的実店舗が多い『格安SIM』は以下です。
取り扱い店舗数 | お近くの店舗検索 | |
---|---|---|
mineo | 約229 | 近くのショップを検索する |
IIJmio | 約205 | 近くのショップを検索する |
イオンモバイル | 約203 | 近くのショップを検索する |
※店舗数には「ショップ」と「家電量販店の窓口」の両方を含んでいます。
※2020年6月現在の店舗数です。
格安SIMのデメリット4
支払い方法がほぼクレジットカードのみ
『格安SIM』の支払い方法は基本的に「クレジットカード払い」です。
一部「口座振替」に対応している『格安SIM』もありますが、対応していない所の方が多いので、もしクレジットカードを持っていないのであれば、事前に作っておく必要があります。
口座振替に対応している『格安SIM』は以下です。
クレジットカード | 口座振替 | |
---|---|---|
イオンモバイル | ○ | ☓ |
OCN モバイル ONE | ○ | ☓ |
mineo | ○ | ☓ |
BIGLOBEモバイル | ○ | △(データSIMのみ対応) |
IIJmio | ○ | ☓ |
格安SIMのデメリット5
LINEの「ID検索」と「電話番号検索」ができない
LINEの「ID検索」と「電話番号検索」を行うには年齢確認が必要で、大手3キャリアの場合はマイページにログインして年齢確認を行えますが、『格安SIM』の場合は年齢確認を行えないため「ID検索」と「電話番号検索」ができません。
『格安SIM』の中で年齢確認ができるのは2021年4月現在「イオンモバイル/mineo/IIJmio」の3つだけです。
「QRコード」や「招待URL」など、友だちを追加する方法は他にもいくつもあるので大した影響はありませんが、どうしても「ID検索」や「電話番号検索」を使いたい場合は、注意が必要です。
LINE友だち追加方法 | 大手3キャリア | 格安SIM |
---|---|---|
ORコード | ○ | ○ |
ID検索 | ○ | ☓ |
電話番号検索 | ○ | ☓ |
友だち自動追加 | ○ | ○ |
知り合いかも? | ○ | ○ |
SMSで招待 | ○ | △(SMS機能付きなら可) |
Emailで招待 | ○ | ○ |
グループから追加 | ○ | ○ |
5つのデメリットを紹介してきたけど、大体は代わりの手段があるからそこまで大きな影響はないよ。
たしかに少しだけ不便になる程度だね。
格安SIM2つのメリット
ここからは『格安SIM』を使用するメリットを紹介します。
格安SIMのメリット1
月々のスマホ料金が安くなる
『格安SIM』の最大のメリットは月額料金の安さですが、2021年2月に約35,000人を対象に行われたアンケート調査によると、『格安SIM』利用者の多くが大手3キャリアの1/3以下の月額料金で使用しており、キャリアと比べて年間で約57,000円も節約できていることがわかりました。
通信量の月額料金アンケートの内訳(10,000円未満までを抜粋)は以下です。
大手キャリアでもっとも多いのが「4,000円~6,000円未満」なのに対して、格安SIMは「1,000円~2,000円未満」で使用している方が圧倒的に多いです。
表を見ると一目瞭然ですが、いかに『格安SIM』がお得かわかる結果になっています。
格安SIMのメリット2
契約年数の縛りが短い
大手キャリアの場合は大体2年の契約縛りがありますが、『格安SIM』の場合は大体が1年もしくは縛り自体がありません。
さらにキャリアは2ヶ月程度の無料で解約できる期間のあと再度2年縛りが始まりますが、『格安SIM』は最初の契約縛りが終わったあとはいつでも無料で解約できます。
『格安SIM』のメリットは「安くて縛りがない」ことだね。
キャリアの2年縛りと比べるとすごくいい!
まとめ
- MVNOが提供しているのが『格安SIM』
- キャリアの約1/3の料金で使用できる
- 実店舗はない(少ない)
- 「音声通話SIM」と「データ通信SIM」の2種類ある
- 使用方法は「同じ回線の格安SIM」「SIMロック解除」「SIMフリー」の3つ
- デメリットに対する代わりの手段がある
- メリットは「安くて縛りがない」こと
一通り解説してきたけど大体わかったかな?
『格安SIM』の魅力がよーくわかりました!
きちんとデメリットを理解した上で乗り換えるとあまり不満もなく使えると思うよ。
さっそく検討してみます!
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