【怪談本】夜馬裕「厭談 祟ノ怪」を忖度なしで徹底レビュー!

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僕は昔から怪談が大好きで、洒落怖・怪談番組・怪談動画・怪談イベント・怪談大会・怪談本などを通じて一年中怪談を楽しんでおり、これまでに数千話の怪談を読んだり聞いたりしてきました。

とくに怪談本は毎月のように購入し読んでいるため、本の購入を悩んでいる方の参考になればと思い、自分用の記録も兼ねて、実際に読んだ怪談本のレビューを残しておこうと思います。

過去に読んでレビューをしてない本も大量にありますが、もう一度読んでレビューするのは時間的に難しいため、過去に読んだ本に関しては気が向いたらレビューを行います。

今回は、夜馬裕さんの「厭談 祟ノ怪(えんだん たたりのかい)」をレビューしていきます。

レビュー済みの怪談本は以下でまとめています。

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怪談の評価基準

怪談の評価基準

怪談の好みは人それぞれありますが、僕の場合は以下の基準で評価を行います。

プラス評価マイナス評価
リアリティがある
単純に怖い
不気味な雰囲気がある
不思議で謎めいている
何かロマンを感じる
興味深い
ワクワクして面白い
感動する
創作感が強い
話に矛盾がある
脚色しすぎている
ありきたり
どこかで聞いたことがある
読んでも何も感じない
単純につまらない

まず大前提として、僕は本当にあった怪異や不思議な出来事を語る「実話怪談」が好きなので、あまりにも現実離れし過ぎている話や、矛盾がある怪談は評価が低くなります。

また著者の地位・知名度・人気度・好感度などには一切忖度せず、レビューを読んでくれる方の参考になるように、純粋に本の内容だけを見て厳しくレビューを行います。

基本的に僕の評価は少し厳し目なので、通販サイトのレビューよりも点数が低くなる傾向があります。

「厭談 祟ノ怪」レビュー

夜馬裕さんの著書「厭談 祟ノ怪」
著者夜馬裕
出版元竹書房
発売日2020/09/28
話数21話収録
Amazon評価 4.5
著者情報:夜馬裕

相方のインディと怪談師コンビ「ゴールデン街ホラーズ」を結成。カクヨム異聞選集コンテスト大賞。第7回幽怪談実話コンテスト優秀賞。怪談最恐戦2020優勝。話数の豊富さと、練られた構成の怪談には定評がある。

収録されている怪談のタイトルと一話ごとの評価は以下の通りです。

一応どんな話だったのかジャンルを表記していますが、人によって「不思議な話」と感じる方もいれば「怖い話」と感じる方もいると思うので、あくまでも参考程度にしてください。

スクロールできます
タイトルジャンル評価
#1ばんもんの部屋怖い 4.0
#2いつもの怖い 3.5
#3呪い返し怖い 3.5
#4雨の日には怖い 4.0
#5乗車拒否不思議 3.0
#6凝視怖い 3.5
#7マレビトの塚怖い 4.0
#8朝に来るもの怖い 3.0
#9弟の亡骸怖い 3.0
#10治験で世界を旅する男不思議 4.0
#11桜の季節怖い 3.5
#12いってもいいよ切ない 3.5
#13カセットテープ怖い 3.5
#14Kトンネルの怪怖い 3.0
#15蔵守りの儀怖い 5.0
#16井戸の蓋不気味 3.5
#17落とされ坂怖い 3.5
#18砂かけじじい怖い 3.0
#19もういいかい怖い 4.5
#20お前じゃないの怖い 3.5
#21蛇が来る怖い 4.5
タイトルジャンル評価
#1ばんもんの部屋怖い 4.0
#2いつもの怖い 3.5
#3呪い返し怖い 3.5
#4雨の日には怖い 4.0
#5乗車拒否不思議 3.0
#6凝視怖い 3.5
#7マレビトの塚怖い 4.0
#8朝に来るもの怖い 3.0
#9弟の亡骸怖い 3.0
#10治験で世界を旅する男不思議 4.0
#11桜の季節怖い 3.5
#12いってもいいよ切ない 3.5
#13カセットテープ怖い 3.5
#14Kトンネルの怪怖い 3.0
#15蔵守りの儀怖い 5.0
#16井戸の蓋不気味 3.5
#17落とされ坂怖い 3.5
#18砂かけじじい怖い 3.0
#19もういいかい怖い 4.5
#20お前じゃないの怖い 3.5
#21蛇が来る怖い 4.5

印象的だった怪談

印象的だった怪談

印象的だった怪談を1話ピックアップして、簡単にあらすじを紹介します。

蔵守りの義

和則さんの両親は、彼が幼少期に離婚しており、父親の記憶はほとんどない。離婚後に父親と合うことはなく、母親がずっと女手ひとつで育ててくれた。

その母親も、まるで成人するのを待っていたかのように、和則さんが二十歳を迎えた年に亡くなってしまった。

一人っ子で兄弟姉妹はおらず、父方の親戚とは一切付き合いがない。数少ない親族といえば、母親の祖母と、母親の弟にあたる叔父の二人きりであったが、実家に帰省したがらない母親のせいで、この二人とは数えるほどしか会ったことがなかった。

和則さんが二十六歳の時、その祖母が亡くなった。

何か理由があったのだろう、屋敷の相続権は母親とその家族に遺言で指定されていたが、母親はすでに亡くなっているので、相続権は和則さんに回ってきた。

田舎なので土地の価値など二束三文に等しかったが、仕事やプライベートでトラブルが続発して人間関係にうんざりしていた和則さんは、田舎暮らしをしながらのんびりと生活したいと考え移住を決意した。

そして叔父さんから「蔵守り」という昔からこの家で行われている儀式を教えてもらうのだが…。

まとめ

がお的総合評価 5.0

「厭談 祟ノ怪」は夜馬裕さん初単著で、23話収録されています。

夜馬裕さんはいい意味で後を引く”イヤーな話”を蒐集している怪談師で、「厭談 祟ノ怪」は初の単著でしたが、さすが夜馬裕さんといった素晴らしい内容でした。

ただ単に「どこどこに行ってこんな怖い体験をしました」みたいな話ではなく、「えっ!?」と予想外の展開が多く、他の怪談師からはなかなか聞けないような夜馬裕さんならではのお話が多いです。

あと夜馬裕さんの怪談は導入部分にムダがなくグッと話に引き込まれます。

とくに体験者さんの意味深なセリフを導入に持ってくるやり方は、「どういう意味?」と興味を惹かれるので、話をどんどん読み進めたくなりますし、最後には「なるほど」といつも納得させられます。

「厭談 祟ノ怪」は文句なしでおすすめです。

レビュー済みの怪談本は以下でまとめています。

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